パソコン 修理の簡単な説明

少年事件に関しては、被害者が立ち会うこともできなかった。 改正となった少年法で、初めてようやく同席できるというように変わったが、までは被害者の声は加害者にも司法にも届かなかったのである。
また、加害者は、国選弁護人をつけることができたり、医療も受けられるし、勾留中には食事が支給されたりと、様々な権利が保障されている。 しかし、犯罪被害者というのは、ケガを負わされても治療費を支払うのは自分でしかない。
国家は、その犯罪に対して刑罰を下すだけであって、被害を償ってもらうには民事訴訟を起こすしかない。 そのための弁護士も自分で探さないといけない。
ところが通り魔なんかは、一銭も持っていないケースが大多数で、そういう人間から取れるはずもない。 だから、今までまったく世聞から無視され放置されてきた、何の権利もない犯罪被害者を守ろうという主旨で法律ができ、犯罪被害者の方々が強く望んでいた経済的な支援などについて、国がしっかり支えていくというのは、当たり前の話。
異論を唱えるものではない。 しかし、犯罪被害者の多くが基本計画に求めているのは金銭的な支援だけではない。
最も強く求めているものは、被害者の刑事裁判への参加である。 その一つに「附帯私訴制度」がある。
附帯私訴とは、私の訴訟を刑事裁判の中で同時に行うものだ。 そうすることによって、被害者の長期にわたる精神的、金銭的苦痛を軽減する。

また、被害者自身が法廷のなかに入り事実関係を争うこともできるというものだ。 出年口月に閣議決定された258項目の犯罪被害者等基本計画のなかには、刑事裁判への参加や金銭的・精神的支援は盛り込まれたものの、具体的な内容は今後詰めていく形で不透明な部分が多い。
そのようななか、いち早く決定事項となった項目がある。 実名・匿名に関する項目だ。
これに対して多くのマスコミはもちろん、犯罪被害者自身のなかからも疑問視する声が出てきているのである。 メディアの功罪しんぞう基本計画を策定するにあたって、内閣府の犯罪被害者等施策推進会議に「検討会」が設置された。
メンバーは法務省や警察庁といった、いわゆる関係省庁と、被害者団体、有識者、マスコミ関係者の白人。 この検討会で、他の議題とともに、事件発表における実名か匿名かの議論が行われたのである。
検討会は、基本的に全会一致で決める原則で行われたため、なかなかまとまらなかったという。 被害者は、被害者自身で匿名にするか実名にするかを判断したいと主張し、マスコミはマスコミで判断するべきと主張、意見が分かれた。
議論は、平行線をたどったまま、結果的にはどちらでもない、つまり警察が判断する、ということに落ちついてしまったのだ。 ここまで意見が割れてしまった大きな理由に「メディアスクラム」、つまり報道被害があった。
実名・匿名の議論が出てきたのも、実はこのメディアスクラムから犯罪被害者を守ろうとする意味合いが強かった。 メディアスクラムは「集団的過熱取材」とも言い換えられるが、事件後、被害者宅に押し寄せるマスコミの映像をテレビでご覧になったことがあるはずだ。
被害者は、突然身内に襲ってきた不幸に対し、どん底の悲しみと怒りでどうすればいいのかわからないなか、マスコミが群がってくる。 例えば、神戸の連続児童殺傷事件で、少年Aによってわが子、A君を殺害されたMさんは、メディアに対して「これが人間のやることかと思った」と、後に私に語ってくれたことがある。
結局、A君は、自分がご両親と楽しく暮らしていたマンションに帰れなかったのである。 両親は、A君が家を出てから、むごたらしい姿で殺されたのだから、せめて一度マンションに帰してもらいたい。

そこから葬儀場に行き、茶毘に付したいと願っていた。 それは、親として当然の気持ちである。
しかし、兵庫県警から「マンションの周りはどうなっているか、わかりますか。 私たちは葬儀場までは行けるが、家の周りの混乱には責任を持てない」という話があり、泣く泣あきらく諦めたという。
「Aは最後に、自分が遊んでいた子ども部屋も見ないで、そのまま茶毘に付されました。 そのとき、100人を超える報道陣がマンションの周りを取り囲んでいたのです。
首輸をつけられるマスコミ人の子どもが殺害されて、最後にどうしても帰してやりたいという親の願いをメディアは踏みにじったのです。 これをやった人たちを生涯忘れません。
本当に、これが人間のやることかと思ったんです」。 おけがわに埼玉県桶川市のJR高崎線桶川駅前で、女子大生が元交際相手と雇った男に殺害された、いわゆる桶川ストーカー殺人事件の被害者、Iさんのご両親も、土師さんと同様に私たちマスコミに対して慣りをぶちまけておられた。

Iさんの家は、住宅街の真ん中にある。 狭い路地を入り、玄関からでなければ、棺が入らない構造になっていた。
殺害され、夜になってようやく家にお棺が戻ってくるとき、路地の曲がり角から大勢のマスコミが写真撮影をしたり、テレビカメラを回したりしていた。 「よくあなたたちは底引とライトを配けられるものだ。
親だったらできないでしょう。 自分の身内だとしたら同じことができますか」本当にメディアにとっては猛省すべきことである。
しかし、それと、報道に対して、被害者を実名にするか、匿名にするかという問題は違うと思うのだ。 首輪をつけられるマスコミ神戸連続児童殺傷事件の土師守さんは、事件から数年後、全国民放局の記者研修会で講演してくださった。
平日に、わざわざ仕事を休んで、お越しいただいたのである。 あれほどのメディアスクラムに遭いながら、それでも足を運んでくださったのは、「メディアには、ちゃんとした報道をしてほしい」との願いがあったからだという。
同席した私も本当にありがたく、深く心に刻んだ次第である。 新聞やテレビといったメディアは、N新聞協会、N民開放送連盟といった横断的な組織のなかで、それぞれ小委員会などを設けて、メディアスクラムの回避をテーマとした取り組みに励んでいる。
まだまだその努力が実っているわけではないが、私たちも日々自覚して、事態を改める努力をしていきたい。 と、書いているそばから、またしてもマスコミの不祥事が発覚した。
同年5月、Nスポーツによると「Nテレ男性アナがスカートの中を盗撮」との見出しで、以下のような記事が掲載されている。 「男性アナウンサーが2月、JR横浜駅構内で女子高生のスカートの中を隠し撮りしたとして、神奈川県警戸部署が県迷惑防止条例違反の疑いで書類送検していたことが分かった。
パトロール中の鉄道警察隊員が取り押さえ、男性アナは容疑を認めた。 興味本位でやった。
申し訳ない」と話したという。 「これに対し日本テレビ総合広報部は「個人のプライバシーにかかわることでお話しすることはない。

当該社員には既に適切な対応を取った」としている。 一般紙はみな匿名だったが、スポーツ紙によっては、アナウンサーの氏名を出しているところもあった。
問題は2点。 まず、当然のことながら、アナウンサー自身のあまりのモラルの低さにあ然とする。
画面に映って、ときにはニュース原稿も読んでいた人間が、「むらむらして興味本位でやった」では済まされないだろう。 さらに、もっと深刻なのは、Nテレの対応だ。
これは、Nテレに限らず、すべてのメディア各社にあらためて猛省を促したい。

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